エミュの毒舌日記

たまに毒を吐くけど、ホントは良い奴のちょっと変な日記です。
内容は変わる可能性

戦争と命

私の母は樺太からの引揚者である。
そして、祖父は戦時中ロシアの司令部で働いていた。


戸締り用心火の用心と拍子木を持ってTVコマーシャルが入る度にTVを消す母に問いた
何故消すの??
この人が嫌いだから…
多くを語らない母が、戦争の悲惨さを語り始めた。


戦火が激しくなり、樺太にも戦火が及んだとき
空襲が来ると、カネボウ炭鉱と三菱炭鉱に沢山の近隣世帯の家族が入れられた
入れられたのは、女、老人、子供、病弱な男達である
その時、ロシアの司令部で働いていた祖父は同僚と共に、炭鉱から自分の家族を出す為に走ったそうだ。
自分の家族を殺す時は我が手で殺すと、連れ戻しに行ったという。
司令部に入った命令は、炭鉱に足でまといになる女子供を収容して爆破せよ
命令を下したのが、戸締り用心だったそうだ。
沢山の友達やその家族が、炭鉱の中で何も知らず死んでいったと…そして戦争で大金持ちになった、この人の事をある人に尋ねたら東京湾に沈められるよと言われたwwww


その後、日本に向かい逃げる道すがら観た光景は忘れたくても忘れられないものだったという
真っ赤に燃えた空の下、何里も何里も逃げた。
シュ、シュという音と共に、人間や動物達が命を落として行く。
道端ではブリキの飛行機のおもちゃが落ちている。
もちろんそれは地雷である。子供たちがそれを拾って血まみれでピクピクしている姿。
足を突っ張らせて死んでいる牛や馬、犬や猫、ある人は橋の上から背負っている我が子を負ぶい紐を解いて川に捨てる姿、またある人は死んでしまった我が子を背負い続けている姿、5歳くらいの子供がネルの着物を着せられ、大きな顔ほどのおむすびを持って、大人たちの顔を覗き込んで走り回っている姿…おそらく親の最後の情けが大きなおむすびだったのだろうと母は言った。


また、叔父は憲兵試験に合格したにも拘わらず、海軍に志願して横須賀湾で空母と共に海の藻屑と消えた…最後の手紙は父母頼む。だったという。


沢山の命が奪われた戦争
誰が悪いのかは言うまでもない、アメリカでもどこでもない、私利私欲に目がくらんだ我が国の政治家が起こした惨事なのである。
一部の人間は、戦犯としてトカゲのしっぽきりのように裁かれ、一部の人間は大金持ちになる。理不尽以外のなにものでもない。
巻き込まれた国民はどん底の生活を強いられ、殺されていったのである。
犬猫の果てまで、兵隊さんの服になるために徴収されたのである。


私は、母が経験した生かされてしまったが為の後ろめたさを津波で経験した。


どうかお願いです。
他人の命をお金に代えようと目論んでいる人たちに手を貸さないで下さい。